虚血時および再灌流時の心筋細胞内カルシウム濃度変化に及ぼす灌流温低下の効果
Project/Area Number |
07671665
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大下 修造 徳島大学, 医学部, 教授 (60144945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 芳信 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30243702)
北畑 洋 徳島大学, 医学部, 講師 (60161486)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 心室筋 / 虚血 / カルシウム / フラ-2 / lysophosphatidylcholine / 低温 |
Research Abstract |
摘出ラット心臓を酵素(コラゲナーゼ、プロネース)で還流し、単一心室筋を遊離した。Fura2/AMを負荷した遊離単一心室筋をTyrode液で還流し、340/380nm励起時の蛍光強度比(R340/380)を指標として、lysophosphatidylcholine (LPC、心筋虚血時に蓄積してくる脂質の中間代謝産物)の細胞内カルシウム濃度([Ca]i)に及ぼす影響を検討した。さらに、心筋虚血モデル(pH=6.5、Po2=70mmHg、K=5.4mEq/L、glucose-free、norepinephrine2micg/mL)により変化した[Ca]iが、灌流液の温度を低下(25C)させることにより抑制されるかどうかを検討した。LPC20micM開始30分後にR340/380は0.26±0.02(平均±標準偏差、n=11)から0.34±0.04へと有意に上昇した(P<0.001、Mann-Whitney test)。一方、灌流液温30Cでは、上記心筋虚血モデル開始30分後にR340/380は、0.27±0.03から0.37±0.05へと有意に上昇したのに対し(P<0.001、n=10)、灌流液温25Cでは、R340/380は、0.26±0.02から0.29±0.04へと有意な変化を示さなかった(P=0.07、n=10)。これらの結果は、心筋虚血時に蓄積するLPCは[Ca]iを上昇させるということ、さらに、心筋虚血時に認められる[Ca]iの上昇は心筋温低下により抑制される可能性を示唆する。現在、虚血心筋に対する麻酔薬の直接作用を検討するため、[Ca]iに及ぼすアシドーシス、アシドーシス+ハロタン、アシドーシス+イソフルラン時の[Ca]iの変化を検討している。これまでの結果によれば、アシドーシス、アシドーシス+ハロタン、アシドーシス+イソフルラン、いずれの場合においても[Ca]iは有意に上昇するが、上昇の程度はアシドーシス+ハロタンの場合が最も著明のようである。
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Report
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Research Products
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