Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
卵巣腫瘍の組織発生に関連して,婦人科開腹手術時冠者の同意のもとに採取された卵巣表層組織の超微細構造を観察した。手術時開腹後直ちに卵巣表層組織を薄くスライスするように採取し,Karnovsky固定液(+マイクロウェーブ)+オスミウム酸の二重固定後Spurr樹脂に包埋し,透過型電子顕微鏡にて観察した。光顕レベルでは,標本採取時の注意深い操作(標本採取時卵巣表面をできるだけ触らない)により従来観察が困難であった卵巣表層上皮細胞の観察が高い確率で可能であった。(観察症例34例中28例(82.4%),作成ブロック339個中184個(54.3%)で卵巣表層上皮細胞が観察可能。)また卵巣表層上皮の重層化が比較的多くの症例で見られた。(観察症例34例中15例(44.0%)作成ブロック339個中27個(8.0%)に卵巣表層上皮の重層化)また卵巣表面の陥凹(いわゆる「切れ込み像」),封入嚢胞,乳頭状増殖などが観察された。電顕レベルでの観察では,嚢胞化を思わせる所見も認められ,肉眼的に正常卵巣であってもミクロのレベルでは本来単層であるはずの卵巣表層上皮に陥凹化や重層化(そして嚢胞化)が起こっていることが観察された。しかしその他の微細な変化は,電子顕微鏡検鏡時には,直観的にはとらえ難く,コンピューターによる画像解析の手法(具体的にはイメージスキャナーにより,画像を取り込み画像解析ソフトNIH Imageを用いて細胞内小器官についての形態計測を行う。)などを用いてその詳細を検討中である。
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