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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.音方向感の中枢での情報処理過程に対する知見を得るため,時間及び空間分解機能が優れた脳磁計(MEG,37チャンネル超伝導量子干渉磁場測定装置SQUID)を用いて,音像移動に対応する左右の大脳聴皮質活動を調べた。被験者は健聴成人7名で,一部の被験者からは同時に誘発脳波も記録した。ノイズ音を左右耳に呈示し,ランダムな時間間隔で左右の音の時間差(Interaural Time Differrence,ITD),すなわち水平方向の音像位置のみを変えた。ITDは200μsないし400μs単位で変化させ,200ないし400回の選択的同期加算平均をした。この音を片耳で聴取してもITDの切り替えに伴うアーチファクトはきこえなかった。ITDの変化のないコントロールに対しては,誘発反応も出現しなかった。 2.ITDの変化から約80ms,235ms後に脳磁界の反応の極大を認めた。EEG上ではMEGより80msの極大がはっきりしないことが多く,MEGの方が反応の検出力に優れていることがわかった。 3.推定した電流双極子位置は,別に計算機に取り込んだ頭部の核磁気共鳴画像と重ね合わせ,また,体性感覚の電気刺激反応も併用して,側頭葉内の聴皮質に局在することが判明した。 4.右脳からの反応が左より大きく,空間認知が右脳優位であることと対応している可能性がある。 5.記録側の反対方向への音像移動に対する反応の方が,記録側に向かう音像移動に対する反応より大きかった。MEGに記録された信号は,主に音像の移動方向をコードしていると考えられた。
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