他覚的嗅覚検査法のためのニオイ刺激による脳波コヒーレンスの研究
Project/Area Number |
07671893
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
加藤 寿彦 福岡大学, 医学部, 教授 (80078766)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 君男 福岡大学, 医学部, 助手 (90187518)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 嗅覚 / 脳波 / コヒーレンス / 他覚的嗅覚検査 |
Research Abstract |
ニオイ刺激による脳波の変動は、鼻腔内の嗅神経が興奮し、脳深部の嗅覚一次中枢から発生した脳波信号が,大脳皮質の二次,三次中枢へと伝搬することによって起こる。本研究ではニオイ刺激に対する脳波変動を客観的に嗅覚障害を捉える他覚的検査法として応用することを目的として,二つの信号の相関性を定量的に分析できるコヒーレンスを用いて検討した。 (対象と方法)嗅覚正常者10名を被験者として,安静閉眼覚醒状態で無刺激時とニオイ刺激時の脳波をデータレコーダに記録した。次にコンピュータとシグナルアナライザーを用いて,異なった部位から同時に記録された二つの脳波信号のコヒーレンス分析を行い,頭皮上の16ヵ所の電極部位の組み合わせのすべてについてコヒーレンスを求め,それぞれのコヒーレンスから各周波数帯域ごとの平均コヒーレンス値を計算した。無刺激時の脳波コヒーレンスとニオイ刺激時の脳波コヒーレンスの変化を比較検討し,統計学的に有意差を認めた電極部位や周波数帯域を求めた。 (結果およびまとめ)臭素B4で刺激したとき前頭前部,前頭部,側頭部で比較的前後方向の電極間でδ帯域でコヒーレンスの減少が認められ,また前頭部,側頭部,後頭部の比較的離れた左右方向の電極間でα1,α2帯域のコヒーレンスの増大が認められた。不快臭のE5で刺激したときも,B4の場合とほぼ同様,前頭部でδ帯域のコヒーレンスの減少が認め,α1,α2帯域では頭皮上の広範囲な電極間でコヒーレンスの増大が認められた。 δ帯域でコヒーレンスの減少したのは,ニオイ刺激で前頭部に緩やかな基線動揺が出現し,これが他の部位からの脳波成分と異なっていると考えられた。またα1,α2帯域のコヒーレンスの増大はニオイ刺激により脳機能が賦活され,頭蓋内の広範囲の部位で機能的関連性が増大していると推測された。これらのデータを基礎資料として他覚的嗅覚検査としての臨床応用が期待された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)