Research Abstract |
・電気生理学的研究 平成5年度より以下の実験を行っている。 ウィスター系ラット(雌,8週齢)を使用しオトガイ孔部で、下歯槽神経を露出し、遠位側を陽極に置いた双極の鉤電極(幅0.3mm)にて、軽く神経を鉤り上げ、矩形波電気刺激を与え、三叉神経誘発電位を記録した。記録には関電極を頭頂部に、不関電極をinionに置き刺激後、20mSecの間に誘発される電位をband-pass filter(20〜3000Hz)を通して増幅しコンピュータにて、500回加算した。 前記の手技にて、ラットの片側の下歯槽神経に、10%Adriamycin 10mlを注入し、反対側には、生食水を注入しcontrolとして、電気刺激を加えて、誘発される電位を比較した。その結果、Adriamycin注入群は、control群に対し、24時間後から振幅の減少が認められ、7日後では更にそれが著明となり、21日後ではwave formがほぼ平坦化した状態となった。 本年度は、まず、無処置ラットにおける測定値の精度(再現性)をより向上させるために、種々の因子による影響を調べた後、Adriamycin注入後の変化を検索したいと考えた。 すなわち、 ・筋電図の影響の有無を調べるため、全麻下にて調節呼吸下におき、筋弛緩薬を注入し、測定値を比較する。 ・体温の影響を調べるため温庵法にて、体温を変化させ測定する。 ・刺激強度の影響について、更に詳細に調べる。 以上を検査後、Adriamycin注入後の三叉神経誘発電位の変化について実験し報告する予定である。
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