In vivoにおける歯根部齲蝕の誘発とその細菌学的ならびに形態学的解析
Project/Area Number |
07672078
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30173800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 昌弘 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10201071)
尾崎 和美 徳島大学, 歯学部, 助手 (90214121)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 歯根部齲蝕 / 齲蝕関連細菌 / 菌体内多糖 / 免疫電顕染色 |
Research Abstract |
小窩裂溝齲蝕や平滑面齲蝕に比べ情報量が少ない歯根部齲蝕の発症機構を解明する上で、齲蝕を生じたセメント質における超微変化ならびに齲蝕関連細菌の動態を同時に観察することは重要なことである。本研究では、3名のボランティアの口腔内に3個の歯根部試片を装着し、それらを一定期間後口腔内より順次摘出することで歯根部齲蝕誘発の経時的モデルを作製した。摘出した試片は化学固定を施したのち分割し、各種樹脂(EpoxyおよびGMA)に包埋した。このブロックより薄切および超薄切片を作成し、各種口腔内細菌に対するウサギ特異抗体を用いた光顕的および電顕的免疫染色あるいはプラーク細菌の菌体内多糖を検出するため電子染色(過ヨウ素酸-チオセミカルバジド-蛋白銀法)を行い観察した結果、以下の所見が得られた。1.3名の披検者の歯根部試片におけるセメント質齲蝕の発症時期およびその進行程度には差が認められた。また、セメント質破壊の著明な試料においては、細菌侵入がセメント-象牙境にまで達していた。2.特定細菌を検出するための酵素抗体法染色において、大部分の齲蝕部位において、ミュータンスレンサ球菌群、Actinomyces viscosusおよびLatobacillus caseiが検出された。3.プラーク細菌の糖質代謝を観察するための過ヨウ素酸-チオセミカルバジド-蛋白銀法による電子染色においては、齲蝕部位に接する桿菌様細菌の菌体内多糖は、1ケ月、2ヶ月目でその密度及び多糖を有する細菌数が増大する傾向を示したが、3ヶ月において、齲蝕部位に接したあるいはセメント質内に侵入した細菌においては逆に減少する傾向を示した。以上の結果から、歯根部試片を持続的に口腔内に露出させることにより齲蝕を誘発させることが可能となり、試片表層のセメント質を破壊した桿菌様細菌はおもにActinomycesあるいはLactobacillusであることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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