咬合異常と歯頚部窩洞の辺縁封鎖性との関連性について
Project/Area Number |
07672081
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久保 至誠 長崎大学, 歯学部, 講師 (80145268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 太平 長崎大学, 歯学部, 助手 (10220899)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 歯頚部窩洞 / 辺縁封鎖性 / 窩壁適合性 / リン酸処理 / 咬合異常 / 繰り返し荷重試験 |
Research Abstract |
これまでの研究の結果、マイルドな酸またはセルフエッチングプライマーによってエナメル質と象牙質を同時に処理し、象牙質に対してもエナメル質と同等の接着強さを示す最近の接着システムでは、従来の漏洩パターンと異なり歯頂側エナメルマージンに漏洩が生じることが判明した。本研究では、これらのシステムにおける辺縁封鎖性の向上を計り、エナメル質壁のリン酸処理に検討を加えた。また、基礎データを得る一環として、各種接着システムを用いて修復した歯頚部窩洞の窩壁適合状態を調べた。これらの実験により、以下のような知見が得られた。 1.Liner Bond II(LB)、LBにProtectliner F併用(LBP)ならびにMulti-Purpose(MP)システムの場合、平坦面を用いた接着試験では、指示書に従って処理した接着強さとリン酸処理した接着強さとの間に有意差はなく、リン酸処理の効果は認められなかった。 2.窩洞を用いた試験では、リン酸処理を行えば、その濃度、処理時間に関係なく辺縁封鎖性や窩壁適合性は有意に向上した。 3.LB、LBPまたはMPを用いて修復された浅い楔型窩洞では、歯肉側象牙質が良好な窩壁適合状態を示しているのに対し、歯頂側エナメル質壁ではギャップが認められた。 4.LBまたはMPを用いて修復されたU型窩洞では、歯頂側と歯肉側の両窩縁にギャップが認められた。 5.ベベル付与により、窩縁付近の適合状態は向上した。 6.AII-Bond2で修復された窩洞の歯頂側は良好な適合状態を示したが、歯肉側では明瞭なギャップが見られた。 楔状欠損の発現機序の一つに挙げられている咬合異常は、辺縁封鎖性や窩壁適合性の劣化原因にもなると考えられている。本補助金にて購入した繰り返し複合荷重試験機は口腔内における咬合関係を考慮したもので、従来の実験法より臨床的要因を加味することが可能であった。今後は、今回の基礎データをもとに咬合異常と辺縁封鎖性との関連性をさらに検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)