Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
歯髄血液のpHを利用した乳歯歯髄炎の鑑別診断法の確立を目的とし研究を行った。歯髄処置が必要とされた乳歯齲蝕歯34例を炎症歯髄群,対照として矯正のため便宜抜歯を行った3例を正常歯髄群としtwin pHメーター(HORIBA社製)を用いて歯髄血液のpHを測定した。採血後14例に対しては冠部歯髄の病理標本を作製し,光学顕微鏡にて炎症程度を3段階に分けた。正常歯髄群3例炎症歯髄群34例の歯髄血液のpHを測定したところ,正常歯髄群のpHは7.2〜8.0の範囲で平均7.7±0.4であったのに対し,炎症歯髄群のpHは6.9〜8.1の範囲で平均7.5±0.2であった。両群に統計学的有意差は認められなかった。臨床診断名とpHの関係を見ると,急性歯髄炎は6例ありpHの平均値は7.4±0.2,慢性歯髄炎は24例ありpHの平均値は7.5±0.3,慢性根尖性歯周炎は4例ありpHの平均値は7.6±0.1であった。それぞれの間に統計学的有意差は認められなかった。処置内容とpHとの関係を見てみると,生活歯髄切断は17例ありpHの平均値は7.5±0.3,抜髄は13例ありpHの平均値は7.5±0.2感染根管処置は2例ありpHの平均値は7.6±0.1抜歯は2例ありpHの平均値は7.5±0.2であった。それぞれの間に統計学的有意差は認められなかった。疼痛の有無とpHとの関係を見てみると,疼痛を有した症例は9例ありpHの平均値は7.6±0.3,無かった症例は25例ありpHの平均値は7.5±0.2であった。両者に統計学的有意差は認められなかった。炎症程度とpHとの関係を見てみると,病理組織標本を作製した14例のうち炎症の程度が軽度の症例が2例,中等度の症例が10例,強度の症例が2例であった。炎症程度とpHとの間には相関は認められなかった。また、出血程度とpHとの間にも相関は認められなかった。
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