Project/Area Number |
07672257
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 恒彦 東京大学, 薬学部, 助手 (50173159)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | シトクロムp-450 / ルテニウム / ピリジンN-オキシド / ポルフィリン / ステロイド / アルカン / 芳香環酸化 |
Research Abstract |
著者らが構築を行ってきた高機能性触媒的酸化系である含窒素複素環N-オキシドールテニウム(Ru)ポルフィリン系の特性、応用性を明らかにすることを目的として研究を行い、本年度は、以下に述べるような研究成果を上げたので報告する。 1)通常の酸化反応系では酸化が困難である芳香環の酸化が、本反応系により効率よく進行し、p-キノンが一般的に選択性良く生成することを見出した。収率は最高98%、触媒回転数は最高3万3千回転と高かった。無置換の宿合芳香環でも反応は良好に進行した。特に、m-アルコキシベンゼン構造を優先して酸化することから、テトララメトキシビフェニル類の酸化を試みるとm-メトキシベンゼン構造側のみをp-キノンへと変換でき、キノン化試薬として知られる硫酸セリウムアンモニウムとは異なった高い選択性を有していることが明らかとなった。さらに詳細な解析により、反応の中間体として芳香環の水酸化体すなわちフェノール類が生成していることを確認し、シトクロムp-450との類似性も明らかにした。 2)基質として酸化不活性なステロイド類を用い、酸化反応を行った結果、アルカンの部位であっても主に水酸化を良好に行うことができ、新規な酸化生成物を4種得ることができた。不斉中心の水酸化では、立体構造を保ったまま水酸化されることがわかった。また、触媒であるルテニウムポルフィリンのメソ位フェニル基上の置換基をハロゲンやメチル基など種々異なるものをを用いると、生成物の選択性が触媒の種類によりかなり異なることが判明した。このことより同じ酸化剤を用いても、触媒のデザインを工夫することにより、望ましい選択性を本反応系に付与できる可能性を示すことができた。
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