Project/Area Number |
07672289
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
田中 博道 昭和大学, 薬学部, 助教授 (50109477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 一広 昭和大学, 薬学部, 助手 (10218638)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヌクレオシド / ラジカル反応 / 1,2-不斉誘起 / フラノース / モノセレノアセタール / ウリジン / 炭素-炭素結合形成反応 / アリルスズ化合物 |
Research Abstract |
ウリジンの糖部5'位に、すでに我々が報告した(J.Org. Chem. 1991,56,5401)方法でフェニルセレノ基を導入した。合成した5'-エニルセレノ誘導体を酸化して得られるセレノキシドは、通常のセレノキシドとは異なり、脱離反応をうけることなく安定に単離することができた。得られたセレノキシドのプンメラ-反応により、アシルオキシ基を導入しラジカル反応部位となるモノセレノアセタール構造を糖部5'位に構築した。 糖部分2'および3'位の水酸基をイソプロピリデン保護した5'-モノセレノアセタールを用い、まず水素化トリプチルスズをアクセプターとする反応を行なった。炭素-セレン結合の均等開裂によって生じた5'-アシルオキシ炭素ラジカルがウラシル環の6位に求核付加しC-シクロヌクレオシドが生成した。このものは5'位での立体化学が異なる2種の異性体から成り、主生成物は(5'R)-異性体であった。このC-シクロヌクレオシドは、5'-アルデヒドと水素化トリプチルスズとの反応ですでに合成されているが(T. Sugawara et al. Tetrahedron Lett. 1988, 29, 75)、この反応では(5'S)-異性体のみが得られている。 糖部2'、3'位の水酸基をアセチル基やTBDMS基で保護したモノセレノアセタールとアリルトリブチルスズとを反応させると、上記の分子反応は起こらず、5'位でのアリル化が進行した。反応条件を詳細に検討した結果、高いジアステレオ選択性を実現でき、更に広範囲のラジカルアクセプターを使用し得ることが明かとなった。本反応は、従来用いられていた5'-アルデヒドと炭素求核試剤との反応とは逆の立体選択性を実現できることから、ヌクレオシド系抗生物質の合成等に有効な手段となるであろう。 ジアステレオ選択性を支配する因子に関する議論等を含め、本研究の詳細は現在投稿準備中である。
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