Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
オピオイドレセプターの多様な細胞内情報伝達機構について,アフリカツメガエル卵母細胞翻訳系を用いて調べた。ラット脳poly(A)^+RNAを注入した卵母細胞において,μ,δ,κの各オピオイドレセプターサブタイプに特異的なアゴニストは,いずれも細胞内Ca^<2+>振動の活性化に基づくCl^-電流応答を惹起した。分子クローニングされたラットκレセプターのみを発現させた場合もCキナーゼ阻害薬であるstaurosporineを添加した培地で一晩処置することにより,同様なCl^-電流応答が見出され,百日咳毒素(PTX)感受性GTP結合タンパク質(G蛋白)がその応答に介在していることが明らかになった。次に,κレセプターと細胞内cAMP系および電位依存性Ca^<2+>チャネルとの共役について,それぞれ嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御タンパク質(CFTR)およびQ型Ca^<2+>チャネルとの同時発現を試みた。κアゴニストはCFTR応答を増強,すなわち細胞内cAMP量を増大させ,またCa^<2+>チャネル応答を抑制した。これらの細胞応答にはいずれもPTX感受性G蛋白が介在していた。以上の結果によって,オピオイドレセプターを卵母細胞に発現させた場合,レセプター分子はPI代謝の活性化によるCa^<2+>動員,細胞内cAMP産生の相乗的亢進,電位依存性Ca^<2+>チャネルの抑制という独立した3経路の情報伝達系と共役しうることが示された。また,これらの細胞応答にはいずれもPTX感受性G蛋白(Gi/Go)が介在していることが明らかになった。
|