高血圧発症因子としての脳アセチルコリン系の解析-新しい形態学的アプローチ
Project/Area Number |
07672384
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
久保 孝男 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (10128598)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 高血圧症 / 脳アセチルコリン系 / 血管運動中枢 |
Research Abstract |
まず、圧受容器反射調節に関与するアセチルコリンニューロンが延髄に存在するか否かを検討した。ラットを使用し、フェニレフリン(5mg/kg)を腹腔内投与して急性的に昇圧を起こし、3時間後に脳をパラホルム固定し、発現したc-fos蛋白を免疫組織学的に染色した。同切片においてアセチルコリン神経の指標とされるコリンアセチルトランスフェラーゼの2重染色を行った。フェニレフリン処置ラットにおいて、c-fos蛋白は、孤束核、尾側腹外側部、吻側腹外側部のニューロンに発現が認められた。フェニレフリンのかわりに生理食塩水を腹腔内適用した対照のラットにおいては、延髄全域においてc-fos蛋白の発現は認められなかった。コリンアセチルトランスフェラーゼを含むニューロンは、孤束核、外側網様核、延髄尾側から吻側にかけての腹外側部、迷走神経背側核、舌下神経核、顔面神経核に認められた。c-fos蛋白とコリンアセチルトランスフェラーゼ蛋白が同居するニューロンを検索したところ、尾側腹外側部のニューロンの一部にのみ同居が認められた。以上の結果は、圧受容器反射調節に関与しているアセチルコリンニューロンが、延髄尾側腹外側部に存在することを示唆する。また、本結果は、尾側腹外側部の化学的刺激が吻側腹外側部のアセチルコリン遊離を増大させるという先の私達の生化学的実験結果とよく一致する。 次に、この圧受容器反射刺激に伴い、実際、コリンアセチルトランスフェラーゼのmRNAが発現するか否かを検討した。まず、無処置ラットを使用し、脳を4%パラホルムアルデヒド固定し、凍結後、脳切片を作成した。エタノール脱水後、ハイブリダイゼーション緩衝液に溶解した43merコリンアセチルトランスフェラーゼcDNAを切片に添加し、37℃で16時間インキュベーションした。コリンアセチルトランスフェラーゼmRNAは孤束核および偽核のニューロンにおいて強く発現していることが認められた。現在、フェニレフリン連続投与後のラットにおける同mRNA発現を検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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