脳内の亜鉛イオン依存性チロシンホスファターゼの生理機能の解明
Project/Area Number |
07672398
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤本 貞毅 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (80090182)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / イノシトール-1-ホスファターゼ / 酸性ホスファターゼ / イノシトール-1ーリン酸 / 亜鉛イオン / マグネシウムイオン / 脳 / 生理機能 |
Research Abstract |
【目的】脳中のZn^<2+>イオン依存性チロシンホスファターゼは、酸性条件(pH5.5)で、Zn^<2+>イオン存在下、P-nitrophenyl phosphateならびにphosphotyrosineの脱リン酸化反応を触媒する酵素であるが、生理機能は不明である。今回、生体内基質に関する知見を得ることを目的として、生理的条件下における本酵素の金属イオンの要求性ならびに基質特異性を詳細に検討した。 【結果】本酵素はpH7.4(Tres-HCl buffer)において、Mg^<2+>イオンの存在下でmyo-inositol-1-monophosphate、myo-inositol-2-monophosphate, 2-AMP, 2-GMP, α-glycerophosphate, およびβ-glycerophosphateに対してよく作用した。中でもmyo-inositol-1-monophosphateに対して最もよく作用し、最適pHは8付近に認められた。しかしこれらの条件下では、p-nitrophenyl phosphateやphosphotyrosineに対する作用は非常に低かった。Mg^<2+>イオン以外の金属イオンでは、活性化効果は小さかった。なお、使用した酵素標品はSDS-PAGEにおいて単一であり、しかもこの標品をSephadex G-100ならびにMono Qカラムクロマトグラフィーにかけて、Zn^<2+>イオン依存性p-nitrophenyl phosphatase活性とMg^<2+>イオン依存性myo-inositol-1-phosphatase活性の溶出曲線を比較する時、両酵素活性は全く同じ挙動を示した。 【考察、結論】本酵素は酸性条件下では、亜鉛イオン依存性のp-nitrophenyl phosphatase(チロシンホスファターゼ)活性を示すが、生理的条件下ではMg^<2+>イオン依存性のmyo-inositol-1-phosphatase活性を示す酵素であることを明らかにし、結果を現在投稿中である。さらに、本酵素に対する特異抗体を作成して、この抗体を用いて組織分布、細胞内局在性を調べるとともに、既に牛脳から精製されているmyo-inositol-1-phosphataseとの関連について検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
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