Project/Area Number |
07672459
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
滝口 祥令 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40163349)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | アデノシン / 血管肥厚 / 血管平滑筋 / 細胞増殖 / cAMP |
Research Abstract |
アデノシンは血液、血管に豊富に存在しながら、その生理的役割は十分に解明されていない。アデノシンの特異的結合部位はA1受容体とA2受容体のサブタイプに分類されており,前者は細胞内cAMP量の減少、後者は増加を引き起こし、それぞれ種々の薬理作用を生じる。血管平滑筋細胞の増殖はcAMP量の増加により抑制され、一方減少により促進される。従って、アデノシンが平滑筋増殖の内因性調節物質として機能している可能性がある。近年、血栓溶解療法が普及し効果をあげているが、一方で、血栓溶解後の再狭窄が問題となっている。狭窄の主原因は血管障害部位における新生内膜肥厚による。そこで、本研究ではアデノシンのA2受容体活性化による血管肥厚抑制効果についてラット大腿動脈血栓モデルを用いて検討した。本モデルの特徴は、血管障害が内皮に限定されているタイプIIに分類される血管障害モデルで、閉塞性血栓を作成し、血栓溶解後、障害部位の血管肥厚を検討することができる。血栓作成後、アデノシンA2受容体に選択的なアゴニストを3、7、28日間投与した結果、投与期間にかかわらず、障害後28日目の新生内膜肥厚は同程度抑制された。一方、障害後8日目より投与した場合は肥厚抑制が見られなかった。これらの結果から、アデノシンのA2受容体活性化を介する肥厚抑制は、肥厚形成の初期段階において発現し、その後の肥厚形成を抑制することが示唆された。その詳細な機序は明らかではないが、障害後の初期反応である炎症性細胞(白血球、血小板)の不活性化による可能性が考えられた。血栓溶解24時間後の障害部位への白血球集積が亢進しているほどその後の血管肥厚が大きくなる傾向がみられ、A2アゴニストの投与によりその白血球集積が抑制された。また、アデノシンの細胞増殖抑制に対する細胞周期特異性による可能性も考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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