Project/Area Number |
07672482
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉田 秀見 弘前大学, 医学部, 講師 (40201008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 滋 弘前大学, 医学部, 教授 (90003376)
佐藤 敬 弘前大学, 医学部, 助教授 (20125438)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | PAFアセチルヒドロラーゼ / ヒト赤血球 / 血漿酵素欠損 / 血小板活性化因子 |
Research Abstract |
1.集団健診受診者の中から無作為に選んだ34歳から91歳までの1030人(平均63±8(SD)歳,女性781人,男性249人)について、血漿中の血小板活性化因子(PAF)アセチルヒドロラーゼ活性のスクリーニングを行った。そのうち48人(4.7%,女性39人,男性9人)に、本酵素活性の欠損が認められた。 2.血漿酵素活性非欠損群(982人,63±8歳)、欠損群(48人,65±8歳)両群間に、年齢や喫煙者の割合、body massindex、血圧、尿検査成績、血球数、血液生化学検査値の有意差はなかった。また、疾病罹患率も、非欠損群が44%、欠損群が54%と、両群間に有意差がなく、いずれの血漿酵素欠損者にもPAFの生理作用と直接結びつくような重篤なアレルギーやショック症状の既往を認めなかった。 3.血漿酵素欠損者に赤血球PAFアセチルヒドロラーゼ活性の欠損はなく、その赤血球中の同族酵素活性の平均値は0.71±0.28(SD)μ kat/g proteinであり、非欠損者の平均値0.51±0.15μ kat/g proteinを上まわった。 4.血漿酵素欠損者の自家血漿による50%赤血球浮遊液は、全血と同様に、生理的な濃度(10nmol/l)となるように加えられたPAFの一部を除去した。しかし、欠損者の多血小板血漿(血小板数26万/μl)においては、乏血小板血漿と同様に、同濃度のPAFの減少はみられなかった。また、欠損者の単球/マクロファージの培養上清のPAFアセチルヒドロラーゼ活性は、培養1週間後においてもきわめて低値のままであった。 5.以上の結果は、血漿酵素欠損者においては、赤血球が、PAFの介在する病態を緩和する機構の一部に関与している可能性のあることを示唆している。しかしながら、欠損者において生理的濃度のPAFが、非欠損者に比べて長時間、血中に残存しうることが明らかになったことから、血漿PAFアセチルヒドロラーゼ欠損と、病態又はその形成過程との関連の詳細については、さらに検討が必要であると考えられる。
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