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¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
(1)骨格筋肥大と免疫機能との関係 その役割を検討するためにマクロファージ欠損マウスを用いた.遺伝的に単球からマクロファージへの分化因子が欠損しマクロファージをもたないOp/Opマウスでは,対照群に比べ骨格肥大効果が著しく小さかった。個々の筋細胞の直径,面積を計測した結果,マクロファージ欠損マウスでは運動による肥大効果を観察することは出来なかった.Op/Opマウス対照筋ではこれまで同様に筋細胞の周辺に繊維芽細胞成長因子が観察されたが、テノトミ-側の肥大筋で繊維芽細胞成長因子は筋組織内に観察されなかった。これまでの実験で肥大筋で多量に観察された線維芽細胞成長因子はいOp/OPマウスの肥大筋では観察されなかった.すなわちこれまで肥大筋で観察された繊維芽細胞成長因子の由来は骨格筋肥大に伴い出現するマクロファージであることが今回の実験から強く示唆された.少なくとも今回の実験において運動時に骨格筋に出現するマクロファージは骨格筋の肥大に積極的に働いていることが判明した. (2)サテライト細胞の骨格肥大に対する機能を確認する目的で実験を行った. 動物はWister系のラット7週令雄7匹(日本クレア株式会社)を用いて実験を行った。運動の負荷方式は筋肥大誘導モデルとして一般的に用いられている腱切除法を用いた筋組織内のサテライト細胞の数を減少させるためにブビバカインを繰り返し投与した。数回のブビバカイン投与後、投与群の筋がほぼ対照群の筋重量に回復するのを待って腱切除法により運動負荷を与えた。局所麻酔剤であるブビバカイン投与群でのヒラメ筋の重量は対照群に比べ明らか少ない値を示し,対照側にに比して統計的に有意な変化は観察されなかった.ブビバカイン投与群においては筋細胞の肥大だけが観察された.対照群で見られたような中心核をもった小さな細胞の増殖像は観察されなかったノーザンブロテングで繊維芽細胞成長因子のmRNA検出した結果,対照群の線維芽細胞成長因子のmRNAは運動負荷のない状態でも発現した.運動負荷により明かに線維芽細胞成長因子のmRNAは増加した.一方,ブビバカイン投与群の線維芽細胞成長因子のmRNAの発現量は極端に減少した。しかしながら腱切除側で線維芽細胞成長因子のmRNAは増加した.その結果,明らかにブビバカイン投与により繊維芽細胞成長因子の発現が減少した.明らかにこの現象はサテライト細胞の減少を示唆するものである.しかしながらブビバカイン投与群の腱切除側で繊維芽成長因子の遺伝子発現が増加したのはサテライト細胞以外の筋組織の細胞によることが示唆される。
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