Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本研究は、研究代表者:熊谷が主宰している筑波大学都市防災研究室においてすでに開発した「都市直下型地震時の火災対応モデル」を活用して、都市直下における地震発生時の火災対応シナリオ・シミュレーションを行なうことを目的とした。 「都市直下型地震時の火災対応モデル」は、任意に入力された震度分布,地震発生の季節・日時・気象条件を前提として、(1)出火件数の予測と延焼状況の想定:被害想定モデル,(2)利用者によって作成された火災対応方針の効果評価:効果評価モデル,(3)時間的に変化してゆく被害に対応した火災対応方針作成の支援:エキスパートシステムの三つのサブモデルによって構成されている。一方、利用者は、対象とする地域の基礎的データを入力した後、被害想定の方式(コンピューターによる想定か否か)と地震規模,気象条件等の前提条件を入力し、提示される複数の対応方針の中から一つを選定することによって、その効果を把握できる。さらに、対応方針の選定にあたって、「予想出火件数推論機構」、「消防隊活動可能数推論機構」、「消防隊運用推薦案推論機構」によって構成されるエキスパートシステムの支援を得ることもできる。 研究の実施にあたっては、東京都新宿区を対象地域として選定し、被災要因と対応要因の整理,入力データの整理,前提条件の整理をおこなった後、シナリオ・シミュレーションを実施した。 その結果、都市直下地震時における同時多発火災に対応するためには、(1)出火件数やその位置等の全体概要が把握できた後に消防部隊による火災対応をおこなうことが全体の焼失面積低減に効果的であること,(2)事前に各地区毎の予想される延焼速度等を把握することによって効率的な火災対応が実施できること,等々の知見が得られ、シナリオ・シミュレーションの有効性が確認された。
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