Project/Area Number |
07680500
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
プラズマ理工学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
斉藤 輝雄 筑波大学, 物理学系, 助教授 (80143163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立松 芳典 筑波大学, 物理学系, 助手 (50261756)
際本 泰士 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (50018040)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | プラズマ / タンデムミラー / エンドプレート / 電位制御 / 電流バランス |
Research Abstract |
本課題では筑波大学プラズマ研究センターのタンデムミラー装置ガンマ10において、端損失するイオンと電子のエンドプレート上での粒子束(電流)バランスを研究した。ガンマ10では、閉じ込め電位形成のため電子サイクロトロン共鳴加熱(ECRH)を行うと、大量の端損失電子が装置端部に設置してあるステンレス板(エンドプレート)に流入する。エンドプレートは電気的に浮遊しているので、流入する多量の電子流とバランスするために、エンドプレートからたたき出された冷たい二次電子が装置中央部に向かって逆流する。そのため、エンドプレート前面に張ったメッシュに負の電圧をかけ二次電子を抑制する実験(メッシュバイアス)が行われている。これにより一次電子束1/100程度に減少することが期待されたが、実験によると一次電子束は1/2から1/3にしか減少せず、メッシュバイアス時にも電子束がイオン束の50倍近く多いままで、イオン束と同符号の何か別の粒子束(I3)が存在するためと考えられた。 本研究では、このI3を担うものとしてエンドプレートと真空容器の間の薄いプラズマからエンドプレートに流れ込むイオン束を考え、ここに存在するプラズマを静電プローブにより測定した。その結果確かにプラズマが存在し、エンドプレートに流入する端損失電子束を打ち消すような向きの粒子束があることを確認した。 さらに、実験結果を定量的に評価するため、エンドプレートから出た二次電子がミラースロートの手前でミラー反射され、再度エンドプレートに戻ってくる効果を考慮したモデルを構築し、実験結果と対応させた計算を行った。これから、観測された電流(I3)の空間的不均一性を考えると、このI3の大きさはメッシュバイアス実験の結果を説明し得る量である事が確認できた。 本研究で得られたこの結果は、直ちにつぎの新しい課題につながる。すなわち、エンドプレートの裏面から流入する電流を遮断したときの、装置端部の電位分布の変化、及びプラズマ全体の応答を見ることである。この意味で、本研究はエンドプレートの本来の設置目的である非両極性拡散を真に抑制し、タンデムミラーの閉じ込め改善の新しい展開の基礎付けが出来たといえる。
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