小胞体での新生分子成熟過程におけるカルネキシンの機能解析
Project/Area Number |
07680656
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
和田 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40182969)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | シャペロン / カルネキシン / カルレティキュリン / グルコシダーゼ / フォールディング / 小胞体 |
Research Abstract |
カルネキシン(CN)と相同性のある可溶性分子,カルレティキュリン(CR)のシャペロンとしての機能を2つの観点より解析した.まず,相同性の強いCRのN端側340残基をCNの膜貫通部と(エピトープタッグを導入した)細胞質部に連結したキメラ分子をHepG2細胞に発現した.プロラクチンを繋げたキメラ分子の場合には何ら新生分子との相互作用は見られないが,CNを介して小胞体膜表面に発現したCRキメラ分子の場合,CNが認識するものと同じ新生分子と結合し,同じ速度で解離した.CN同様この過程にはグルコシターゼ活性が必要とされた.よって,CRのN端側340残基にはCNと同等のシャペロン活性を有することが明らかになった.一方,CRを生理的局在部位である小胞体内腔に発現した場合には,膜結合型とは異なる基質特異性を示し,トランスフェリンがその主要なリガンドであることが見い出された.よって,(CNが直接認識するとされる)Glc_1Man_<9-7>GlcNAc_2の細胞内での生成がポリペプチド鎖のfoldingと密接に関連するならば,真核細胞は様々な新生分子の多様なfolding kineticsとそれに伴う小胞体内での局在の変化に対応するために,同一の機能をもつ分子を小胞体内の異なる場に発現していることが推察される.これらのシャペロンの機能が発現できない場合には,特定の新生分子の成熟化が損なわれるがその役割は明らかでない.2つの可能性a)CNやCRに新生分子が一定期間結合することが自体が熟成化に必要である,b)CNやCRは一定期間新生分子を小胞体に滞留させることが重要である,が考えられる.そこで小胞体滞留シグナルを除いた欠損分子(CNΔ)を作成し,安定に過剰発現するHepG2細胞を作成した.CNΔは小胞体からゴルジにかけて広く存在し,新生分泌蛋白は一定期間CNΔと結合するが小胞体には滞留せずおそらくゴルジ体のendo-mannosidaseを含む領域に到達した時点で解離する.現在この細胞の分泌系を解析中である.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)