単一嗅細胞の匂い応答スペクトルの測定を基礎とした匂い分子の識別機構
Project/Area Number |
07680707
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 嗅細胞 / におい分子 / ホールセルクランプ / 匂い識別 / 交差順応 / カメ / G-蛋白質共役型受容体 / におい受容体 |
Research Abstract |
現在、G蛋白質共役型受容体(GCR)は匂いの受容体であると考えられているが、GCRが匂い物質と実際に結合してG蛋白質を活性化しているかなどの機能は不明のままである。一方、GCRは個々の嗅細胞に一種類のみしか存在しておらず、もしGCRのみで匂い受容が行われているとしたら、個々の嗅細胞は多種類の匂い物質には応答しないことが予想される。しかしながら、本研究で単一ウシガエル嗅細胞から、嗅繊毛記録法により各種匂い物質に対する応答を測定したところ、80%近い嗅細胞が、cAMPをセカンドメッセンジャーとして用いる匂い物質とIP_3をセカンドメッセンジャーとして用いる匂い物質の双方の複数の匂い物質に応答した。この結果は、単一の嗅細胞に複数の受容体が存在することを示唆する。この示唆を確認するために、ウシガエル嗅細胞を単離してホールセルクランプ法で匂い応答を記録し、交差順応法を適用して解析した。即ち、シトラルバをはじめに嗅細胞に与えその電流応答が順応した後にヘヂオンを与えたところ、新たな匂い応答が生じた。刺激する順番を変えても、同様な結果が得られた。これらの結果は、個々の嗅細胞は、少なくとも2種類、おそらく数種類の受容体を有して匂いを受容識別している可能性を電気生理学的に明らかにした。本実験結果は、現在までにクローニングされたGCRでは、説明することは出来ない。おそらく、あらたなGCRファミリーが存在するか、モデル細胞で見られている膜脂質を直接刺激することにより匂い応答を引起こしているものと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)