イオンチャネル透過路の立体構造:チャネルと非荷電分子の相互作用による解析
Project/Area Number |
07680732
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
老木 成稔 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10185176)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 内向き整流性Kチャネル / 部位特異的変異導入 / 卵母細胞発現系 / オープンチャネルブロッカー / 共発現 / ヘテロオリゴマー |
Research Abstract |
ポア裏打ち構造と考えられているH5領域のイオン選択性特異配列(Gly-Tyr-Gly)に続く残基は、電位依存性KチャネルではAspと負電荷を持つが、内向き整流性KチャネルではPheに続いてArgという正電荷が存在する。この正電荷の役割を明らかにするために内向き整流性KチャネルIRK1の148残基を部位特異的変異導入によってHisに置換した(R148H)。mRNAを注入したツメガエル卵母細胞を2本刺し電位固定法によって電流記録を行うと野生型では数10μAの電流が得られたが、R148Hでは大量のmRNA注入によってもチャネル電流が得られなかった。R148Hとの共発現によって野生型チャネルにくらべ電流量の抑制が見られた。共発現した卵母細胞では単一チャネル記録によって野生型より小さな数種のコンダクタンスを持つチャネルが観察できた。R148Hは単独ではチャネル活性がないが、野生型とヘテロオリゴマーを形成することが証明された。 野生型に対してMg^<2+>は電位非依存性のブロックを示したが、変異によってより低濃度でブロックが見られ、しかも電位依存性となった。この効果は変異型の野生型に対する注入比、細胞外pHによって影響を受けた。オープンチャネルブロッカーであるBa^<2+>やCs^+はブロック速度が変異によって促進した。 以上の実験結果よりArg^<148>はK結合部位の外側、ポア入口付近でバリアを形成し、Mg^<2+>やCa^<2+>による内向き電流のブロックを防いでいることが明らかになった。キテネィクスの解析からArg^<148>のポア内での位置情報が得られた。Ba^<2+>やCs^+のブロック速度に対する影響はHis^<148>の細胞外からのプロトン化とそれによって起こる荷電状態の変化がその原因と考えられる。単一チャネルの結果は透過Kイオンとチャネルとの非静電的相互作用が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)