翻訳段階での遺伝子発現制御機構における大腸菌核様体タンパク質H-NSの機能解析
Project/Area Number |
07680735
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上口 智治 名古屋大学, 農学部, 助手 (20232738)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 核様体 / H-NS / DNA結合タンパク質 / シグマ因子 / 栄養飢餓ストレス / ストレス応答 |
Research Abstract |
I.核様体タンパク質H-NSの機能ドメイン解析 H-NSによってその転写が抑制されているpeoUオペロンの発現を指標にして、25種類のhns変異を分離した。このうち20種類のミスセンス変異はH-NS上で大きく3つの領域(N末端領域、C末端側2つの領域)に集中した。精製した変異タンパク質について生化学的解析を行ったところ、C末端側ドメインはDNAとの結合に、N末端側ドメインは転写抑制機能に必要な領域であることが示唆された。H-NSはホモダイマーを形成して機能することが知られているが、ダイマー形成にはN末端側2/3が必要十分であり、おそらくH-NSの中央部ドメインがそれに関与するのではないかと推測された。 II.栄養飢餓ストレス応答機構の解明 1)栄養飢餓ストレス応答の正の制御因子であるシグマ因子(シグマS)の発現制御にH-NSが負の調節因子として機能していることを見いだした。H-NSは栄養豊富な環境ではシグマSの翻訳を抑え、またシグマSタンパク質の不安定化を引き起こす。hns変異株中ではシグマSの脱抑制が起こり、細胞は対数増殖期においてもあたかも栄養飢餓状態にあるような生理状態にあることを見いだした。従ってH-NSは、利用可能な栄養環境に応答して細胞の生理的状態をスイッチする機構のキ-分子であると考えられる。 2)シグマSの発現に関わる他の因子を検索し、一つの候補遺伝子を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)