細胞の増殖停止機構を反映して発現の変化する細胞表面抗原MM3の転写制御機構の解析
Project/Area Number |
07680761
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
片岡 浩介 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20262074)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 転写制御 / 細胞周期 / 細胞表面抗原 |
Research Abstract |
モノクローナル抗体25Abによって認識される細胞表面抗原MM3は、通常の繊維芽細胞においては低い発現しか見られないが、細胞を血清飢餓状態において増殖を停止させた場合にはその発現が誘導されるのに対して、接触阻止による増殖停止時には完全に抑制される。その発現制御の機構を解明することで増殖停止に至る異なる経路を分子レベルであきらかにするのが本研究の目標である。このような発現の変化が主に転写のレベルで行われていることをこれまでにあきらかにしてきたので、当該年度においてはこの遺伝子のプロモーター領域を単離してその転写活性について検討した。 まず転写開始部位を決定し、これより上流1.2kbについて塩基配列を決定したところ典型的なTATA-box、CAAT-box、GC-boxなどを持つことが分かった。さらに得られたプロモーター領域5.6kb中から、上記のような発現の変化を司る領域をluciferase assayによって検索したが、そのような領域は見い出せなかった。転写開始部位より上流160bp程度のみで5.6kb断片と同程度の転写活性を有すること、またMM3を全く発現しない細胞株においても高い活性を持つことから、ここで得られたプロモーター領域以外に転写を抑制する領域(サイレンサー)が存在するのではないかと推測された。さらに、MM3はSV40ウイルスによって癌化した細胞においてその発現が転写レベルで著しく上昇することを見い出したが、得られたプロモーターの活性はこの発現の変化とも対応しなかった。この点でもこの領域外にサイレンサーの存在が強く示唆された。血清飢餓すなわち増殖の正のシグナルの枯渇によって発現の抑制が解除されるような機構はこれまでに知られていない。そこで現在、すでに得られているexonを含む下流領域からの検索を進め、またさらに上流領域を含むゲノムクローンの単離を試みている。
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Report
(1 results)
Research Products
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