ラット肝セリンアミノ転移酵素の2種のオルガネラ移行シグナルの相互作用の解析
Project/Area Number |
07680767
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小田 敏明 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90126805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千晴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | オルガネラ移行 / 蛋白質の細胞内局在化 / 細胞内移行シグナル / ミトコンドリア / ペルオキシゾーム |
Research Abstract |
ラット肝セリン:ピルビン酸アミノ転移酵素(SPT)の二種の細胞内移行シグナル、ミトコンドリア移行シグナル(MTS)とペルオキシゾーム移行シグナル(PTS)を解析し、以下の結果を得た。 1.ミトコンドリア移行シグナル---N末端22アミノ酸からなるMTS内の4つの塩基性アミノ酸を単独で酸性アミノ酸へ、あるいは中性アミノ酸へと変異させただけではミトコンドリア移行機能は損なわれなかった。またAla17、あるいはAsp22をヘリックスブレーカーであるProlineに変換してもミトコンドリア移行機能は損なわれなかった。しかし、5-22あるいは9-22の欠失はミトコンドリア移行機能を抑制し、産物は大部分、細胞質に検出されたが、1-3の欠失はミトコンドリア移行機能に変化を与えなかった。MTSのミトコンドリア移行機能は22アミノ酸のうち後半、N末端より9アミノ酸以降に存在し、前半部分はミトコンドリア移行機能に直接関係しないことが示唆された。 2.ペルオキシゾーム移行シグナル---予備実験よりC末端付近がPTS機能を担っていることが示唆されていたので、そこに的を絞って、変異体を作製した。代表的なPTSとして報告されているPTS1、すなわちC末端のSer-Lys-Leuあるいはそれに類するモチーフそのものはSPTのC末には存在しないが、Asn-Lys-Leuという類似の配列が存在しているので、このNKL配列がPTS1と同様の機能を持つことが考えられた。事実、C末3アミノ酸を欠失したり、あるいはC末から2番目のLysをGlu,Glyに換えると産物はペルオキシゾームに局在できなくなった。またすぐ隣のC末から4番目のLysをGlu,Gly,Glnに換えたものも産物のペルオキシゾーム局在性は失われていた。このことはC末4番目のLysも含んだPTS1様配列がSPTのペルオキシゾーム移行に重要な役割を持っていることを示している。 3.MTSとPTSの機能的関連---1.で述べたようにMTSの前半部はミトコンドリア移行機能に直接関与していないと考えられる。しかし、5-22欠失と9-22欠失とを詳しく比較すると、5-22欠失の方は一部ペルオキシゾームへの局在が見られるが、9-22欠失の方ではそれが見られず、すべて細胞質局在であった。このことはMTS前半部分にC末PTSの機能を抑制する働きがあることを示唆しており、MTS,PTS両シグナルを持つSPT前駆体が選択的にミトコンドリアへ移行することの原因である可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)