Project/Area Number |
07680768
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今本 尚子 大阪大学, 医学部, 助手 (20202145)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 核タンパク質輸送 / 核局在化シグナル / 核膜孔 / In vitro輸送系 |
Research Abstract |
核蛋白質の核内への移行は、核局在化シグナルに依存した細胞質から核膜孔までの第一のステップと、エネルギーを利用して核膜孔を通過する第二のステップに大きく分けられる。本研究者は、in vivo培養細胞実験系とセミインタクト細胞を用いたin vitro実験系を駆使して、第一のステップに働く細胞質因子の解析を進めた。in vitro実験系を用いた解析より、核蛋白質は細胞質抽出液中で、安定な蛋白質複合体を形成し、この複合体自身が他の因子を必要とせずに核膜孔へ結合する活性をもつことを見い出した。この複合体を、その活性に基づいて「核膜孔ターゲティング複合体」と名付けた。この複合体を構成する因子を精製し、その中の58kDaと97kDaの因子が活性に必須であることを明らかにした。この2因子の部分アミノ酸配列を決定し、遺伝子クローニングに成功した。これらのrecombinant蛋白質を用いた解析から、58kDa因子は、核局在化シグナルを認識し、核蛋白質とともに核内に移行することが明らかとなった。一方、97kDa因子は、核局在化シグナルとは結合せず、58kDa因子に結合することによって3者の複合体を核膜孔にまでターゲットする活性を有することがわかった。更に、58kDa因子に対するアフィニティー精製抗体を、生きた培養細胞の細胞質に微小注入すると、同時に注入したSV40T抗原の核局在化シグナルをもつ核蛋白質の核内移行が阻害され、この因子が生きた細胞内で確かに核蛋白質輸送を担うことが証明された。本研究により、核蛋白質輸送の基本的pathwayの分子機構の全容を明らかにする上で重要な足がかりを築くことができ、当初の研究目的は十分に達成できたと考えられる。
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