Project/Area Number |
07680892
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古谷野 好 京都大学, 医学研究科, 助手 (50183041)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 両時間時差 / 音源定位 / 同時発生検出機構 / 層状核 / 聴覚 / GABA / ニワトリ |
Research Abstract |
(目的)音の情報は内耳有毛細胞で電気信号に変換され、蝸牛神経節細胞(CG)によって中継され、大細胞核(NMC)及び角状核(NA)に鳥類では投射される。これら二次ニューロン群のうちNAは音の強さ(音圧)をコードし、更に上位の中枢神経核に投射する。NMCは音の位相を捉え、層状核(NL)に両側性に投射する。NMCからの投射線維は遅延線を形成する。NLは両側のNMCからの興奮性入力が同時に到達したときに最大の確率で発火し(coincidence detectorとして働き)、音源を一列に並んだ細胞群の最大確率で発火する位置としてコードすると考えられている。本研究ではヒヨコのスライス標本を用い、NMCとNL間でのシナプス伝達機構及び情報処理過程を電気生理学及び電位感受性色素を用いた光学的手法によって細胞レベルで解析することを目的とした。 (結果)NMCからのEPSC、EPSPの特性。のNLの背側、腹側を電気刺激し、それぞれ同側、対側からのEPSCを記憶した。これらのEPSCは、両側ともに約1.2msの時定数を持ち、non-NMDAグルタミン酸受容体の活性化によって引き起こされることを明らかにした。同側、対側のEPSPが重畳して活動電位が発生することも確認した。GABAの両耳間時差の検出機構に対する作用。GABA作動性入力はA型のGABA受容体を活性化してIPSCを発生させる。GABA(10μM)はそのshunting effectでEPSPの時間経過を著明に短縮し、その結果NLでのcoincidence detectionの精度を1kHz以上に向上させた。本研究により、NL神経細胞でのシナプス伝達機構や情報処理過程が細胞レベルで明らかになりつつある。 (まとめ)以上の結果は、第4回国際神経科学会,第21回北米神経科学集会で発表し、現在J.Neurophysiologyに投稿中である。本年度では電位感受性色素を用いた光学的実験は完成できなかったが、中枢神経系のシステムを解明するための重要な方法であるので今後是非とも完成させたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)