メルケル細胞膜上にあるアセチルコリン受容体チャネルの性質とその生理的役割
Project/Area Number |
07680896
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
神経・脳内生理学
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山下 由朗 熊本大学, 医学部, 助手 (50128328)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | メルケル細胞 / キナクリン / パッチクランプ / アセチルコリン / ニコチン / D-ツボクラリン |
Research Abstract |
実験前日に蛍光色素キナクリンをラット腹腔内に注入し、皮膚表皮基底層に存在するメルケル細胞にキナクリンを選択的に取り込ませた。表皮片を酵素及び機械処理して細胞を単離し、蛍光顕微鏡下でキナクリン蛍光を発する単離細胞(メルケル細胞)をマークした。位相差顕微鏡下に移してマークされたメルケル細胞にナイスタチン穿孔パッチクランプ法を適用した。メルケル細胞の特徴である一過性K電流(A電流)と遅延K電流の発生することを確認した後、Y字管法を用いてアセチルコリン(ACh)溶液を同細胞に投与した。-40mVの保持電位において約20%のメルケル細胞が応答電流を惹起し、それは全てコンダクタンス増大を伴う一過性の内向き電流だった。イキ値は10μMぐらいで、逆転電位は0mV以上であった。ニコチン溶液は同様の電流を惹起したが、ムスカリン溶液は惹起できなかった。ACh惹起電流はニコチン様拮抗薬であるD-ツボクラリンによっては抑制されたが、骨格筋型の同拮抗薬α-ブンガロトキシンでは抑制されなかった。これらのことより、一部のメルケル細胞はニコチン様ACh受容体をもち、AChの結合により一過性の脱分極を生じることがわかった。AChの由来に関しては、副交感神経終末、感覚神経終末(レシプロカル・シナプスをもつ)、またはメルケル細胞自身からの放出等が推測されるが、今のところ不明である。ACh惹起電流は脱感作が顕著であるため、数回の繰り返し刺激しか行えなかった。現在は、ラット皮膚触盤(メルケル細胞・神経-複合体)の機械刺激に対する応答を感覚神経線維束から記録しつつ、アセチルコリンやD-ツボクラリンを触盤に注入することによって、これら薬物の機械応答に対する作用を検討しているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)