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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
運動中の末梢性運動機能の疲労(筋肉疲労)と中枢性の自律神経系の変動(心拍変動)とを計測し,中枢と末梢での筋疲労感覚の違いを探ることを試みた. リハビリテーションを想定した実験では,繰り返し運動を実現する自転車エルゴメータを用いた.一方,フィールドスポーツの実験では比較的姿勢を維持する運動としてスキー運動を用いた.ともに,動的運動時での筋疲労を多チャネルアレイ表面電極にて計測し,その平均化整流値,平均周波数,そして可能ならば伝導速度を推定した.また,中枢性疲労は心拍R-R間隔時系列の変動から推定した.なお,フィールド実験ではISDNルーターを経由してコンピュータをインターネット接続し,120km離れたフィールドから研究室へと実験データを転送した(40MB程度のデータを約1時間で)後,解析を研究支援グループに依頼した.これにより,解析結果を翌朝得て,実験スケジュールを適時変更することが可能となった. その結果,自転車エルゴメータ運動では,5名の被験者に対して心拍R-R間隔時系列から血圧調節系のパワースペクトルが休息時に低下し,運動時と休息時との差が疲労の経過につれて減少する特徴を確認した.スキー運動では,運動時と休息時の時間のバランスが崩れているため,それほど顕著には現れなかった(被験者1名).一方,末梢性の疲労は,自転車エルゴメータ運動では複数の筋活動指標を主成分分析し,第1主成分への各評価指標の寄与率,相関,因子負荷量の時間経過を総合評価パターンとして示して,疲労度を評価できる様になった.スキー運動では,重畳M波による方法で3時間にわたる実験中での疲労度の変化を探れるようになった.しかし,実験条件が十分整えられない場面があったり,被験者数が十分では無いことから,中枢性と末梢性の疲労間隔の違いを十分に解析するまでには至らなかった.今後はシミュレータを利用する予定である。
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