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中国美学概念の哲学的・文学的な含意と構造の再検討

Research Project

Project/Area Number 07710009
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Chinese philosophy
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

中島 隆博  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (20237267)

Project Period (FY) 1995
Project Status Completed (Fiscal Year 1995)
Budget Amount *help
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Keywords勢い / 配列 / 傾向 / 歴史 / 起源 / 交替 / 状況 / 内在
Research Abstract

フランソワ・ジュリアン『物の勢い』の読解とそれに伴う調査・研究・討議をおこなったが、そこで鍵となる「勢」という概念は、さらに広い文脈で捕らえ直されるべきである。ジュリアンが述べるように、外からの視点を持つことで、中国や西洋の思想を内部から考えている目には見えなかったその様態が明らかになることは確かである。たとえば、西洋の文学・哲学・歴史学が当然のこととして前提している、目的と手段、テロスとアルケ-の二項対立や因果律に対して、超越的な保証の一切ない内在的な論理、つまり配列から自ずと生ずる力である「勢」を立てることは、西洋の形而上学が思考しなかったものを指摘し、その特殊性を明らかにすることになる。しかし、残念ながら、中国にも、強力な仕方で目的と手段を構想する伝統があり、その洗練された形(目的と手段の融合)として「勢」を理解することもできる。さらに言えば、西洋固有の概念とされたテロスとアルケ-を中国の思想に対して立てることで、その特殊性を明らかにすることもできたはずである。したがって、今後の研究は、「勢」を手付かずの概念として特権化することなく、それ自身を外の観点に晒す必要があろう。
今回の研究では、主に、手や身体の運動を効果的に配列する技術・芸術(体操、書道、医学)とそこから生じる力を検討したため、歴史における状況とそこから不可避的に生じる傾向の検討は十分にはできなかった。だが、今後チャンスがあるのは後者の方である。というのも、文学や哲学にとって、歴史を貫く、起源と伝承そして革新の問題はその質を決めるほど重要であり、しかも歴史は、西洋と中国の思想が最もよく対峙する場だからだ。今後は、文学史や哲学史をどう構想したかに注意しながら、歴史と「勢」の関係を問い直したい。その知見を踏まえて、『物の勢い』を近い将来翻訳して刊行する予定である。

Report

(1 results)
  • 1995 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

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All Publications (1 results)

  • [Publications] 中島隆博: "「中国」の表象と近代の複数性" 言語. 8月号. 120-121 (1995)

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      1995 Annual Research Report

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Published: 1995-04-01   Modified: 2016-04-21  

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