Project/Area Number |
07710067
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
実験系心理学
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 寛之 神戸学院大学, 人文学部, 助教授 (30202112)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 記憶方略 / 再生予想 / メタ記憶 / 記憶モニタリング / 自由再生 / リハ-サル |
Research Abstract |
本研究の目的は、記憶場面において人間が自ら使用する記憶方略の有効性をどの程度的確に判断してするのか、またそうした判断の的確さは記銘学習の諸段階を通じてどのように変化するのか、を厳密な実験的状況のもとで検討することにある。一般成人(大学生・短期大学生)を対象に、自由再生課題を用いた記憶実験を実施し、被験者自身による記憶方略の有効性判断について検討する。記憶方略の有効性判断については、被験者自身が予想した再生可能項目数と実際の記憶課題成績とのズレの大きさに基づいて評価する。 当初の研究計画のとおりに記憶実験が行われ、主として、次のような新たな知見が得られた。 1.再生可能項目数の予想判断の正確度は、記憶方略の遂行の前・後において差は認められなかった。このことから、記憶方略の選択・実行に関連した記憶の制御活動と記憶モニタリング(memory monitoring)の正確度とは、直接的・即時的に結びついているのではないことが示唆される。 2.しかし、再生可能項目数の予想判断の正確度は、項目リストの学習の進行に伴って改善され得る。 3.言語材料を記銘する際に、被験者は、既有知識内の情報との言語連想を援用した覚え方(連想リハ-サル)の方が材料を単純に反復する覚え方(機械的反復リハ-サル)よりも有効性が高いと的確に判断できる。 4.しかも、そうした記憶方略の相対的な有効性の違いは、項目リストへの学習の進行とともに、より的確に認識されるようである。 上記の1と2の研究結果は清水(1995)に、同じく3と4の結果はShimizu(1996, in press)において公表された。なお、2と4の結果をもとに記憶モニタリングの正確度の向上過程をさらに詳しく検討する実験を計画中である。
|