意思決定における心的構成効果の心理計量モデルの作成とその妥当性研究
Project/Area Number |
07710078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
竹村 和久 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (10212028)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 意思決定 / フレーミング / 選択 / 有確実性 / 計量モデル / 選好 / 効用 / 状況依存性 |
Research Abstract |
我々の社会生活での意思決定において、客観的には全く同じ問題が与えられても、その問題の心理的な構成の仕方によって、意思決定の結果が非一貫的になってしまうことが知られている。たとえば、手術を受けることによって、「生存する確率が30%になる」ということと「死亡する確率が70%になる」ということは、客観的には同じ事態を意味しているが、その心理的な構成が異なることにより、手術を受ける意思決定が変異すると考えられる。このような現象を、TverskyとKahneman(1981,1992)は、心的構成効果(framing effect)と呼び、非常に頑健な現象であるとし、教育によっても変更できないと主張した。 しかし、どのような要因が心的構成効果に影響を及ぼすのかが未だに十分明らかではなく、また、心的構成効果を予測し、説明するモデルが存在しない。とくに、心的構成効果の心理計量モデルの作成は、この現象の単なる説明だけでなく、実際の社会状況での意思決定の予測にとって重要である。 本研究では、意思決定における心的構成効果の心理計量モデルの作成とその妥当性研究を行なった。より具体的に述べると、まず、第1に、意思決定における心的構成効果が生じるのはどのような状況なのかを、調査法や実験法によって明らかにした。第2は、意思決定の心的構成において、どのようなプロセスを経るのかを過程追跡技法を用いた実験によって明らかにした。そして、第3に、これらの知見をもとに、意思決定における心的構成効果の心理計量モデルである状況依存的焦点モデル(contingent focus model)を作成した。このモデルは、状況の解釈に応じて、心的構成が変異し、選好の逆転現象を説明するものである。最後に、この心理計量モデルのパラメータ推定をもとにした妥当性研究を行い、このモデルの現実の社会状況の意思決定における妥当性を検討し、その妥当性が比較的高いことを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)