セルフ・コントロールの活性化に影響を及ぼす状況要因の検討
Project/Area Number |
07710108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
杉若 弘子 早稲田大学, 人間科学部, 助手 (90257171)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 調整型セルフ・コントロール / 改良型セルフ・コントロール / 状況要因 |
Research Abstract |
本研究では、調整型と改良型という2つのセルフ・コントロール(以下、それぞれ調整型SC、改良型SCと表記)が、どのような状況でもっとも活性化するのか、加えて、その学習過程に影響を及ぼす諸要因を明らかにすることを目的とした。被験者は大学生579名(平均年齢19.5歳)であり、授業クラス単位の集団法により質問紙調査を実施した。被験者は、まず最初に、状況の困難度(2水準)と行動結果の明確さ(2水準)を要因とする4つの状況についての呈示分を読み、各状況における2つのセルフ・コントロールの実行度を評定した。状況要因の背景場面としては、試験の準備期間をとりあげた。おもな結果は、以下の通りである。 1.調整型SC(短期的な状況で発生したストレス事態に対処し、情動的・認知的な妨害要因の影響を低減)では、設定した4つの状況における実行度に有意は変化は認められなかった。調整型SCは状況の困難度や行動結果の明確さといった状況要因の影響を受けにくいことが示唆される。しかしながら、調整型SCのほとんどが内潜的な行動(例えば、自己教示や気そらし)であるため、改良型SCに比べて習慣化されやすく、かつ、その変化を自覚しにくいという可能性がある。この点に関しては、さらに検討を要する。 2.改良型SC(より自発的な問題設定にもとづき、目標志向的な行動が実行された結果、比較的長期にわたり基準値以上の水準で標的行動を維持)では、「困難度が高くかつ行動結果が明確な状況」から、以下、「困難度高-結果不明確」、「困難度低-結果明確」、「困難度低-結果不明確」の順で実行度が高かった。この結果から、調整型SCに比べ、改良型SCは状況要因の影響を受けやすいことが明らかになった。 本研究で得た結果をもとに条件統制を行い、詳細な実験データを蓄積した上で、より適切なセルフ・コントロールを学習するための条件を明らかにしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)