Project/Area Number |
07710112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 博樹 大阪学院大学, 流通科学部, 講師 (30245188)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カット技法 / 画面構成 / 理解 |
Research Abstract |
幼児がテレビから物語性のある映像を理解する際には、カット技法が重要な役割を果たす。カット技法とは映像を人工的に寸断する技法であり、画面構成の基礎である。そこで、本研究では、画面構成と理解の関係について、カット技法を中心に先行研究を概観するとともに、実験研究を行うことが目的であった。 この目的を達成するために、まず、カット技法と理解との関係について先行研究を概観し問題点を明確にした。概観にあたっては、カット技法の実態とその役割に絞って考察した。その結果、カット技法の出現頻度がアニメで平均すると約14回であること、カット技法が同時カットと継時カットに分類できること、カット技法と幼児のアニメ視聴とが関連すること、が示された。また、カット技法の役割については、カット技法が理解を抑制する役割と理解を促す役割の二つを持つことが示された(本研究は、「物語理解におけるカット技法の実態と役割」と題して、教育心理学研究に投稿中)。先行研究の概観から、カット技法を受け手の認知特性に対応させることが理解を支援するための最適条件であると考えられたので、この点を考慮して、次に、実験研究を行った。実験は年長組を被験児にした。課題としては、簡単な出来事について数枚の絵画物語を作った。ただし、同じ内容でも、重要度の異なる行為系列が描かれた画面系列を作成した。絵画配列課題を実施し、課題の違いが配列行動にどうような効果を及ぼすか分析したところ、重要度の高い行為系列により作成された絵画の有為性が認められた。 以上から、幼児の物語理解を支えるカット技法については、その最適条件を考案することが「分かりやすさ」と結びつくことが推察された。しかし、今回の実験は予備的な性格が強いものであり、さらに統制を加えた条件下での実証研究が望まれる。
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