Project/Area Number |
07710123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Koran Women's Junior College |
Principal Investigator |
遠矢 幸子 香蘭女子短期大学, 秘書科, 助教授 (60195443)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 学級集団構造 / ソシオメトリック・テスト / 学級雰囲気 / スクール・モラール / 学級風土 / 担任の学級集団構造理解度 / 友人関係のエピソード分析 / 友人の機能特性における個人差 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学級集団内の友人関係を“質"的視点から捉え、これを集団の大局的構造との関連で分析することである。当初の研究計画では、学級の友人関係構造の分類を中心に、これと個々の児童・生徒の友人関係特性との関連を見ることが主眼であったが、現場との話合いの中から次の視点を新たに加えた。具体的には(1)児童・生徒による「学級雰囲気」と「スクール・モラール」の評定から学級風土の理解を深め、さらに児童・生徒の学級内での位置とこれらの評定値との関連性を検討する、(2)学級における担任の役割と影響性を考慮し、担任による学級集団の友人関係認知と実際の友人関係構造とを突き合わせることによって、その整合性とズレに関する担任の気づきや感想を、録音データによって検討する、の二点である。調査対象は、小学校4年生1学級、5年生2学級、6年生2学級の計5学級である。実施した質問紙は、(1)学級場面と遊び場面のソシオメトリック・テスト。さらに、選んだ相手が自分を選ぶか否かの認知、相手が自分に対して有している機能に関する評定も求めた。(2)最も印象に残っている友人との「うれしかった」出来事に関する自由記述。(3)SD法による学級雰囲気に関する15項目の質問紙。(4)スクール・モラールに関する20項目の質問紙(5段階評定)。結果は多岐にわたるため、その一部を列記する。まず学級集団構造に関しては、10年前に見られた男子は集中・階層化構造、女子は分散化構造という特徴が以前ほど明確ではなかった。次に、友人関係機能に関しては、具体的機能よりも情緒的機能を重視し、友人との関わりの中で自己成長を求める傾向が顕著であった。第三に、学級集団構造と学級風土との間に一定の関連がみられた。第四に、支持を集める児童・生徒の質に変化が見られ、担任のイメージと実際のリーダー等が食い違う場面が観察された。他の結果も併せて、今後も担任も含めた学級集団のダイナミクスの把握と改善に向けた研究を継続して行う。
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