Project/Area Number |
07710124
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
|
Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
笠原 正洋 中村学園短期大学, 幼児教育科, 講師 (10231250)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 保育志望学生 / 暗黙信念 / 育児不安 / 評価・判断 / 仮想アドバイス |
Research Abstract |
本研究では、子どものかんしゃくに悩んでいる母親の「語り」が提示された時、保育志望学生の持つ「悩みの解決の仕方についての暗黙信念」と「性格についての暗黙信念」の違いにより育児不安情報に対する理解、すなわち登場人物の評価・判断と対応の仕方が異なるかを検討した。主な結果は、登場人物の評価・判断については、素朴な性格信念のうち性格が変わらないという実体論的信念条件が、性格を変わると見る増進論的信念条件よりも実例をより極端にとらえるような評価を行う傾向にあった。しかし、解決に関する素朴な信念の影響はほとんど認められなかった。また、対応を情報収集と仮想アドバイスから見る限り、増進論的性格信念をもち解決志向の高い条件で刺激文の例外情報をより活用することが認められたが、それ以外には条件間の大きな差は認められず、全般的に問題の原因に直接言及するような対応、すなわち母親の対応や夫、姑を含めた家族の対応に問題があるという仮説化が多く見られた。以上より、素朴な性格について信念と刺激文の評価までの関連性は一部認められたものの対応の仕方には差が見られないという結果であった。しかし、この結果については、解決についての素朴な信念の概念規定と測定の仕方を改良すること、また被験者が保育志望の学生であったため、実際の保育実践に入る前の個人の信念構造の特徴として、信念そのものが未分化であるため(坂元,1988」、原因論的な解決の信念しか持ちえなかった可能性がある。そのため調査対象を保育志望学生から実際に保育実践を行っている人にまで広げて、信念そのものの構造上の変化や機能を検討していく必要があるだろう。
|