教育現場における発達障害幼児のための視力評価法の開発
Project/Area Number |
07710174
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐島 毅 筑波大学, 心身障害学系, 助手 (20241763)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 視力評価 / 発達障害幼児 / 視機能 / 屈折 / ダウン症 / レフラクトメータ / スクリーニング |
Research Abstract |
本研究は、知的発達の遅れのために視力や屈折等の検査の実施が困難な発達障害幼児にたいする、視機能評価法の開発を目的として行われた。対象児は0〜6歳の発達障害幼児157名であり、小児用レフラクトメータを用いて屈折度を評価した。手続きは、レフラクトメータから1mほど離れた所に対象児を座らせ、レフラクトメータとVTRを接続しモニターの映像を録画した。得られた屈折値から、屈折異常の頻度と、疾患(ダウン症・自閉症・その他)、身体状況、発達状況の要因との関係を分析した。また、発達障害児における屈折度評価の実施可能率、検査の所要時間、測定の成功率から、評価法の有効性を検討した。 その結果、発達障害児の屈折異常を伴う頻度については、疾患別ではダウン症児が最も高く、約70%の子どもが何らかの屈折的問題を持っていた。次いでダウン症以外の発達障害児が約40%と高く、自閉症・自閉傾向の子どもは10%以下と低かった。最も頻度の高いダウン症児について詳細に検討したところ、近視を伴う子どもにおいて有意に運動発達(四つばい獲得年齢)が遅く、出生時の体重が低かった。 また、今回実施した評価法は、全体で98.7%とほぼ全員に検査の実施が可能であった。検査が可能であった子どものうち、30%は親や先生の介助なしで独りで検査を受けることができた。また、1回の検査の平均所要時間は、約3分であり、安定した測定値が得られた時に示されるアベレ-ジデータが1回の検査中に得られた割合については56%であった。全ての測定についてモニタのVTRから画像のぶれやピントのずれ等がないかを分析した結果、約2回に1回は有効なデータが得られており、3回に1回は両眼とも有効なデータが得られた。 以上から、発達障害児、特にダウン症児では屈折異常を伴う頻度が高いことが明らかになった。また、今回の方法が発達障害幼児の視機能評価法として有効であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)