Project/Area Number |
07710183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
河合 康 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90224724)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 障害児教育 / 親 / パートナーシップ原理 |
Research Abstract |
本研究では、比較教育学的観点から、障害児教育における親のパートナーシップ原理のあり方を検討するために,以下の4つの研究を実施した。 1.研究1では、1975年の「全障害児教育法」(Education for All Handicapped Children Act)を中心に親のパートナーシップ原理に関する規定を分析した。その結果、アメリカでは、適正手続き保障(Due Process)が整備されており、子どもの教育措置の決定に親がパートナーとして積極的に関与していく権利が設けられていることが明らかにされた。また、各子どもに対して作成される個別教育計画(Individualized Education Program: IEP)についても、その作成過程で親が積極的に関与していく権利が認められているなど、親のパートナーシップ原理が法的に明確に位置づけられていることが明らかにされた。さらに、「全障害児教育法」施行以降に生じた判例の分析を行った結果、多くの場合、親の意思が尊重される傾向が強いことが指摘された。 2.研究2では、1978年に提出された「ウォーノック報告」(Warnock Report)と同法に基づいて制定された「1981年教育法」(Education Act 1981)を中心に分析した。その結果、「ウォーノック報告」では、第9章で「パートナーとしての親」(Parents as Partner)と題して、親の問題を個別に取り上げて、種々の示唆に富む提言を行っていることが明らかにされた。また、「1981年教育法」においても、評価の過程に親が積極的に関与できる権利や、教育当局の教育措置の決定に対して不服申し立てを行う権利が認められるなど、親のパートナーシップ原理を積極的に保障しようとしていることが明らかにされた。 3.研究3では、わが国における障害児教育関係法令において親のパートナーシップ原理がどのように規定されているのかを分析し、さらに、研究1と2の結果を踏まえて、わが国における今後の方向性を検討して、研究の総括を行った。その結果、わが国においては、法令上、親のパートナーシップ原理に関連する言及がほとんど見られず、英米の規定を参考にしながら、今後、改善すべき点があることが指摘された。今後の課題としては、比較対象国を増やすと同時に、各国の文化的、社会的、経済的背景等を考慮に入れて、より広い視野から分析を断続すべきであることが指摘された。
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