キリスト教教育における「信仰」の連続的側面と非連続的側面に関する考察
Project/Area Number |
07710207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Heian Jogakuin (St. Agnes') College |
Principal Investigator |
深谷 潤 平安女学院短期大学, 保育科, 講師 (40269759)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | キリスト教教育 / 信仰 / ヤスパース / バルト |
Research Abstract |
本研究は、キリスト教教育における「信仰」の概念を教育学の次元で促え直すことが目的であった。当初、「発達」と「覚醒」をキーワードに信仰の緒側面を分析する予定であったが、限られた時間と予算を考え、信仰の非連続的側面を中心に研究を進めた。そのため、連続的側面は、「信仰」の「発達段階」をまとめたジェームズ・W・ファウラ-、及び彼の理論の源であるジャン・ピアジェの文献検索と文献収集にとどめた。 研究過程において、非連続的側面を神と人間との関係として促えることにより、さらに非連続の中にもいくつか層が見えてきた。この複雑な構造をもつ信仰概念を分析するために、ある特定の人物の信仰概念に沿って考察する方が賢明と考え、今世紀の代表的弁証法神学者カ-ル・バルトと実存哲学者カ-ル・ヤスパースを取り上げた。バルトの「啓示信仰」は、イエス・キリストの「啓示」を中心とし、「啓示」において神と人間は連続的関係を保つとしている。つまり、神の側から人間へ至る道をイエス・キリストによって神学的に位置づけているが、反対に人間から神に近づく道は非連続的である。一方、ヤスパースの「哲学的信仰」において、人間から神への認識過程は、連続的であり、「暗号解読」という特殊な方法論によって「実存」の領域において可能となる。これに対し、神から人間への道は非連続的である。 以上から、「信仰」を連続・非連続という二元的構造で分析する際、キリスト教教育においてイエス・キリストをどう促えるかが重要な課題となってくることが明らかになった。今後、イエスを神と人間の両方の側から考察する必要がある。 彼らの「信仰」概念の比較・分析は、「キリスト教教育における信仰の連続的側面と非連続的側面-バルトとヤスパース-」と題して、平安女学院短期大学紀要No.26に掲載する。
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Report
(1 results)
Research Products
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