Project/Area Number |
07710234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
原田 誠司 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助手 (50252820)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 近世村落 / 日本家族史 / 戸口史料 |
Research Abstract |
近世前期の戸口史料そのものの再検討を行なう前提として、まず、多方面に亘る研究蓄積に学んで、家族史ないし「家」および「家父長制」の問題を考察した。 すなわち、日本古代・中世家族史および社会学・法制史等の研究成果を取り纏めれば、近世初頭の百姓家族は小家族・直系家族が構成的比重を占め、中世以来の「小経営」農民が編制替されて、近世百姓として、姿を現す、ということが「想定」されるところとなった。また、往々にして、近世初頭の村落・家族研究等においては、前代における家父長制家族の存在を所与の前提として、議論を展開する場合が多いが、他の分野の研究成果を視野に入れた時、家父長制家族の成立時期を近世以前とは簡単に論定できない、事実が明らかとなった。つまり、家父長制家族の日本的形態である「家」の成立時期をめぐっても再検討の必要性が明瞭となったのである。 ついでまず、概略的に戸口史料の再検討に着手した。地域的には、畿内・備後・信州の戸口史料を対象として分析したが、その結果、人的把握の深度において、微妙な差異のあることが判明した。いずれの地域についても、十五歳未満、特には五歳未満の人員については、必ずしも精確なものとは言い難く、特に信州の戸口史料については、その点が明白であった。また、男性と比較しての女性の把握度も、信州の場合、問題がある節が垣間見られ、それらの点を十分に考慮に入れることなく、分析結果を信頼すれば、家族構造の考察上、誤りを犯すこと、明白である。今後は、それらの点を踏まえて、研究を精緻に進めていく方針である。
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