Project/Area Number |
07710286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
考古学(含先史学)
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
廣岡 孝信 奈良県立橿原考古学研究所, 調査第1課, 技師 (00260373)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1995: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 瓦当文様 / 屋瓦製作技法 / 同笵関係 / 屋瓦製作集団 / 屋瓦製作流派の動向 |
Research Abstract |
当該研究はこれまでの古代屋瓦に対する一般的な検討方法である瓦当文様中心の手法を改め、屋瓦製作技法を重視する方法を試みるものである。しかしこれまでの各既刊報告では製作技法については省略されているものが多い。 そこで当該年度では各屋瓦資料を実見・観察のうえで、実測図・拓本資料の製作、細部の写真撮影作業といった、今後の本格的研究を行っていく上での基本資料の作成作業を中心とした調査活動から開始した。そのためまず調査対象地を、研究代表者が先に検討を進めつつあった東海地方、特にその西部の三重県を中心に実見調査を実施した。また同時に東海地方に所在する古代寺院、古瓦出土遺跡に関連する既刊報告書などの文献資料の収集も行った。 実見調査からは、製作技法の共通性が指摘できることを確認した例として、これまでに軒瓦の同笵関係が指摘されていた西方廃寺・志摩国分寺の出土瓦、瓦当文様の異なる縄生廃寺・額田廃寺の出土瓦などの存在を挙げることができる。また川原寺式軒丸瓦が出土している縄生廃寺・額田廃寺・智積廃寺・大隆寺廃寺などは瓦当文様のみならず、その製作技法の点からも奈良県の川原寺・飛鳥寺との関連を再検討すべき視点が得られた。以上の諸観察の成果は、当該研究の検討課題である屋瓦製作技法の相違をその製作集団の相違とする仮説の検証を進めていく際に、極めて示唆に富むものである。すなわち軒瓦の同笵関係のみでは検証できない屋瓦製作集団、あるいは瓦笵とその類似文様の移動や拡散とは異なる屋瓦製作流派の動向について今後の本格的な検証研究を進めるうえで有意義な成果を得たといえる。
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