客家語長汀方言訳「馬太福音伝」(1919年)の音韻に関する歴史的研究
Project/Area Number |
07710324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
中国語・中国文学
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
秋谷 裕幸 愛媛大学, 教養部, 講師 (10263964)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1995: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 中国語 / 客家語 / 長汀方言 / 音韻 / 方言訳聖書 / 馬太福音伝 |
Research Abstract |
1.東洋文庫所蔵の中国語方言訳聖書の検見を行った。福建省建寧方言訳聖書の「建寧」とは現在の建寧県ではなく建甌県であること等を確認した。なお予定していた天理大学図書館所蔵の中国語方言訳聖書の検見は行い得なかった。また調査の過程で東北大学にも中国語方言訳聖書が相当数所蔵されているとの情報を得た。 2.Ma-Thai Fu-yeng Chhon Ting-chow(「馬太福音伝 汀州」1919年)を全文パソコンに入力し、漢字同定の作業を行い、同音字表(漢字を発音により整理した表)を作成した。入力データは校正の後、研究者向けに公開する予定。 3.以上2.の作業により得られたおよそ八十年前の客家語長汀方言と現在の長汀方言との比較を行った。そして(1)介音-i-の前でk-が口蓋化せずに閉鎖音の音価を保つ場合があること(「頸・驚・隔」)、(2)中古漢語之韻の区別の反映(「箕」)、(3)現在の長汀方言には存在しないtr-の如き声母が存在した点、(4)舌尖円唇介音と思しき介音が存在した点、等を明らかにした。このうち(3)(4)は長汀県の客家語ではなく、隣の連城県の客家語と共通する特徴である。 :4.以上2.の作業の結果により得られた同音字表及び3.の作業の結果得られた知見を『愛媛大学教養部紀要』28号(1995年)に「THE GOSPEL OF SAINT MATTHEW IN TING-CHOWの音系」として発表した。 5.以上1.の作業の過程で得た知見をもとに「びん・客家語における「泉」音について」という論文を書き『中国文学研究』21号(1995年)に発表した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)