コンピューターを用いた照応表現の理解に関わる認知的側面の研究
Project/Area Number |
07710335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
英語・英米文学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大津 隆広 九州大学, 言語文化部, 助教授 (90253525)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 会話の含意 / 表層照応 / 深層照応 / 照応表現 |
Research Abstract |
英語の照応表現の理解には、量の認識が働いている。表層照応と深層照応における先行詞の復元の仕方の違いは、Levinson(1987)の会話の含意の枠組みに基づいた量の公理とそれに関わる推論の過程により説明できる。 表層照応・深層照応の両方の場合において、I-inferenceにより照応形は特定的な解釈がなされる(つまり、照応関係が成立する)が、その過程が両者では異なると考えられる。 表層照応の照応形の場合、コントラスト・セットをなす他の言語表現が認識できないために、Q-implicatureが導き出されず、I-inferenceにより情報内容の拡張が行われることで先行詞が復元される。 深層照応の照応形の場合、コントラスト・セットをなす特定的な言語表現が認識できるために、Q-implicatureが算出されるが、それを抑える形でI-inferenceが働くことで、先行詞が復元される。 2つの推論に関して、Q-inferenceがI-inferenceよりも先に適用されるのは、前者の推論に必要な労力が少ないからである。また、深層照応の理解には2つの推論が関わっているので、処理労力が余計にかかると考えられる。 以上に関連したことを「英語における表層照応・深層照応と会話の含意」という題目で、日本言語学会第111回大会(平成7年10月15日、東北大学)にて発表した。
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Report
(1 results)
Research Products
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