Research Abstract |
奨励研究(A)に基づく本年度の研究により、アイルランド共和国の児童扶養法に関し、以下の諸項目に関する文献・資料収集およびその分析を行った。 (1)(独立に伴う)英国法の継受から現在に至るまでの児童扶養法の立法過程に分析。(2)アイルランド救貧法(Poor Relief (Ireland) Act 1838)から現行法に至るまでの、生別母子家庭に対する救貧および社会保障法制の展開過程の分析。(3)扶養料の算定に関する現行法(Guardianship and Infants Act 1964,Family Law (Maintenance of Spouses and Children) Act 1976,Judical Separation and Family Law Reform Act 1989)の法構造の分析、およびこれらの諸法にかかる判例の分析。(4)扶養料の履行確保システム(Enforcement of Court Orders Act 1940,Family Law (Maintenance of Spouses and Children) Act 1976,Judical Separation and Family Law Reform Act 1989)の分析、およびこれらの諸法にかかる判例の分析。 なお、(5)アイルランド国内におけるひとり親家族の雇用問題およびその貧困化現象に関しては、現在、収集した関連文献・資料の分析を進めているところである。また、(6)アイルランド法研究においては英国法との比較法が重要な基軸となるが、英国では1995年に提出された白書IMPROVING CHILD SUPPORTに基づき、Child Support Act 1991に対して一定の修正が加えられるようとしている。この点に関しても、現在、収集した関連文献・資料の分析を進め政策動向を見極めているところである。 この(5)(6)2つの論点について、本年度内に着手しつつも現在なお研究が継続中であることから、得られた成果の発表を粘度内に見送ることとしたが、近日中に雑誌論文として提出する予定である。
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