「司法の廉潔性」概念の意味と機能:当事者主義の神話と現実
Project/Area Number |
07720040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Criminal law
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
指宿 信 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (70211753)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 司法 / 当事者主義 / 廉潔性 / 手続打切り |
Research Abstract |
1.研究の経過 まず、従来から取り組んできた「手続打切り論」との関連で、司法が自らの手続的正統性を維持するための理念的根拠として、「司法の廉潔性」概念を利用してきたのではないかという考えから、イギリスを中心とする英米法圏での同概念の利用について調査をおこなった。 2.研究の成果 本年度は主にイギリスにおける研究動向を中心に、「手続打切り論」との関係から「司法の廉潔性」概念に近い考え方を取り上げた研究状況を調査、検討することとし、近年、「司法の道徳的廉潔性(moral integrity)」という概念を基礎として、手続打切り論の正当化を模索する若手研究者Andrew Chooの業績を中心に検討をすすめてきた。幸い、直接著者と連絡をとることができ、書評に対する彼自身のコメントも得られ、また、そうした成果は関西刑法読書会(1995/12/26大阪)において、著書(A.Choo,Abuse of Process and Judicial Stays of Criminal Proceedings,1993 Oxford)の紹介の際に報告する機会を得た。その結果、彼の用いる「道徳的廉潔性」は司法の廉潔性とほぼ同義と言ってよく、司法自身の内在的な自己保全機能であることが解明できた。 3.今後の方向 当初予定していたアメリカについて、特に証拠排除法則の問題や違法捜査問題との関連から「司法の廉潔性」を分析、検討する余裕を得なかったので、これを次の仕事として、特に証拠排除法則の判例の中で次第に廉潔性概念が衰退していった理由などを考察していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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