日系メーカーの対アジア子会社企業内生産移転に関する実証研究
Project/Area Number |
07730036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済政策(含経済事情)
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
林 尚志 南山大学, 経済学部, 講師 (90247669)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 日系電機メーカー / アジア子会社 / 企業内技術移転 / 事例研究 / 製品開発度 / 課題対応能力 / 比較静学分析 |
Research Abstract |
本研究は、近年、日系電気メーカーがアジア子会社に対して“生産の移転"を加速化させる中で、彼らが“企業内技術移転"を進めている状況、およびそのメカニズムを明らかにした。すなわち、家電組立メーカー8社に関する事例研究、並びに理論モデル分析を通じ、(1)アジア子会社においてより高度な活動内容が段階的に導入されている状況、(2)その状況をもたらした諸要因に関し、以下の結果を得た。 1.8社の全てにおいて、企業内技術移転は「子会社における“製品開発度"の段階Iから段階VIに向かっての高度化」という形で進展してきた。ただし、現状および将来展望の双方に関し、ケース間である程度の差異が存在した。なお“製品開発度"とは、回答企業により指摘された技術移転上の諸段階のことであり、(1)生産される製品の性格、および(2)子会社で行われる活動内容の両者を組み合わせた概念として理解される。(文献[1],[2]) 2.近年の製品開発度の高度化は、(1)東アジア諸国のキャッチアップに代表される立地上の要因、(2)子会社の経験蓄積に代表される企業内部の要因が重なり、「子会社の課題対応能力が向上した」ことによってもたらされたと考えられる。(文献[2],[3]) 3.上記メカニズムは、費用最小化の原理に基づき比較静学分析を行った三つの理論モデル(基本モデル,多層型プロダクトライフサイクルモデル,開発-生産2部門モデル)の形で整理された。(文献[4]) 4.各ケース間の製品開発度の差異は、比較静学分析の結果と整合的な形で説明された。たとえば、本社-子会社間でオンライン化を進め、企業内の情報インフラが整備されているケースでは、生産部門の子会社への移転が進む一方、開発部門の移転は遅れがちとなるという点が、実証、理論の両面から確認された。(文献[4])
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)