Project/Area Number |
07730043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic history
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 洋子 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (90202176)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ドイツ / 労働運動 / 社会民主主義 / 手工業 / 職人 |
Research Abstract |
本研究においては、ドイツの労働運動と社会主義運動の歴史的形成過程について、とりわけドイツの中世以来のものの生産に関わる伝統である手工業の持つ特質との関係、連続性に焦点をしぼって考察してきた.その中で解明されてきた、特に強調されるべきは次の点である.(1)手工業におけるものづくりの市民的「名誉」心が、マイスターのみならず、職人にも共有されており、この意味で彼らが「誇り」を抱いていたこと.しかし他方で、(2)手工業のマイスター-職人-徒弟の技能養成における身分的な上下関係が、国家・市当局とツンフト・マイスターとの強い結びつきの中で、職人の地位を差別する構造を持ち、職人は未だ「市民」とはされていなかったこと.(3)そしてマイスターになかなかなりにくい状況の中で、手工業における職人の遍歴Wanderungが、職人の横の関係に対して、実体を伴った連帯意識をつくりだし、一方では手工業的「名誉」意識と呼応し、他方ではマイスターと職人との緊張関係の存在と呼応する中で、手工業職人を中心とする労働運動が、「名誉」に基づき、しかし「弱い者」の連帯を前面に打ち出す社会民主主義労働運動として展開していったことである.本研究の成果は、近刊『世界史と現代』(仮題)の中で発表される予定である.
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