Project/Area Number |
07730087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Accounting
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
徳前 下信 金沢学院大学, 経営情報学部・経営情報学科, 講師 (80227587)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1995: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | のれん会計 / 会計政策 / 会計の系譜学的分析 / ブランド会計 |
Research Abstract |
のれん会計をめぐる英国の混乱を、その会計上の処理上の問題はもとより、より幅広い見地から検討し直すことを努めた。まず英国の個人主義や、会社形態、M&Aの発展形態の分析から、英国と比較して、1)営業権をその会社の本質と見るために、のれんの貸借対照表計上に意図があったこと、2)持分フーリング法が濫用される前に、その利用が制限されたこと、3)持分プーリング法の利用が制限されて以降、パ-チェス法でも資産負債の公正価値評価・事業の再編費その他取得にかかわる費用の取得価額への算入等の包含により剰余金消去法が同様の効果がもたらすように努力されたこと等を見いだした。また、これは当初、英国の個人会社で行われた剰余金による直接消去が1960年代米国の大手会計事務所関係者により一般に提唱され、それを制限した米国のAPB17以降は、英国の株式会社に逆輸入されたのである。 この論争の派生物としてブランド計上問題も扱っている。例えば剰余金消去法を用いる会計政策により「見かけ上」会社を良くみせようと努めた会社は、その後剰余金が借方残高になり、英国会社法の変化とともに、その「貸借対照表の穴」を埋めるためにブランド計上を行わざるを得なくなった経緯を、会計政策による作成者の誘導と作成者が会計報告に影響を与えた反作用の例として説明した。次に、のれん会計にかかわる抽象的な用語・基礎概念が、このブランド会計問題についてどのレベルでどのように機能しているのかを社会的に幅広い見地から検討し、特に専門職業人としての会計専門家の社会的立場と、それへの非会計専門家の挑戦という新しい社会的観点から検討している。この反論の中で現代の会計理論上の資産概念以上にこすと概念が強調されている事実を発見している。 のれん会計問題への提言としては、会計のアカウンタビリティ機能を重視し、M&Aの事実を利用者に明確に伝えるために、被買収会社の実質価額と購入対価の差額とその差額分析を、会社の会計政策が行われる前の金額で開示することを要請する。
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