Research Abstract |
1.局所コンパクト群Gに対し,Lebesgue空間L^p(G)(1<p<∞)上の有界線形作用素で,L^1(G)の元による畳み込み作用素と可換なものの全体をCV_p(G)で表わす.このとき群Gが従順であるならば,(一般化された)Fourier代数A_p(G)の双対空間はCV_p(G)と同型であることが知られているが,より弱く,群GがCowling-Haagerupの意味で弱従順(weakly amenable)のときでも同様のことが成り立つことを示すことができる.一方,非可換自由群Fにおいては,異なるp,p′に対して,CV_p(F)とCV_<p′>(F)の間に包含関係が成り立たないことが知られている.この事実とA_p(F)とCV_p(F)の双対性から,異なるp,p′に対し,A_p(F)とA_<p′>(F)の間に包含関係が成り立たないことを示すことができる.さらに,局所コンパクト群Gの閉部分群Hへの制限はA_p(G)からA_p(H)への全射を誘導すること,および,概連結な群においては,従順でないことと非可換自由群を閉部分群としてもつこととは同値であることを用いることによって,次の結果を得る:Gを概連結な局所コンパクト群とする.このときGが従順でないならば,異なるp,p′に対しA_p(G)とA_<p′>(G)の間に包含関係は成り立たない. 2.空間CV_p(G)におけるL^1(G)の畳み込み作用素全体のノルム閉包をPF_p(G)で表わすと,PF_p(G)の双対空間W_p(G)はG上の連続関数の空間となる.このとき一般に包含関係A_p(G)⊂W_p(G)が成り立つことが知られている.空間W_p(G)の閉部分群への制限写像が常に全射になるかどうかは知られていないが,開部分群の場合には全射になることを示すことができる.このことと1.で用いた議論を用いることにより,次の結果を得る:Gを非可換自由群を部分群にもつ離散群とする.このとき異なるp,p′に対しW_p(G)とW_<p′>(G)の間に包含関係は成り立たない.
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