Project/Area Number |
07740133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
解析学
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
本田 竜広 有明工業高等専門学校, 一般科目, 講師 (20241226)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 擬凸 / 射影空間 / Riemann領域 |
Research Abstract |
擬凸領域は正則領域であるかどうかという問題はLeviの問題と呼ばれ、複素解析学の見地から、多くの領域でこの問題について研究が成されて来た。というのも、この問題が可解であれば、その解析対象の領域の特徴づけできるからであり、その領域で既知の理論が適応できることがわかるからである。このLeviの問題の概念は、正則領域ばかりでなく、有理型領域にまで拡張されてきた。しかし、Levi問題については、多くの論文により報告されているように、無限次元空間で、必ずしも可解でない空間も存在する。あまり一般的な複素数体上の位相線型空間を考えるとLevi問題は成立しないのである。 そこで、無限次元の複素射影空間上のRiemann領域をその考察対象にした。これは、次のようにして得られる空間、領域である。Eを局所凸空間とするとき、E\{0}の元x,yに対し、xとyが同値であるとは、ある0でない複素数tが存在して、y=txを満たすことであるという同値関係を導入する。この同値関係によるEの同値類全体の集合である商空間(この空間はハウスドルフ空間)をEから定義された複素射影空間P(E)と呼ぶ。複素多様体UからP(E)への双正則写像pが存在するとき、(U,p)をP(E)上のRiemann領域と呼ぶ。 この領域上の有理型関数を考え、いろいろな研究結果から、次の定理を証明できた。 定理.EをSchauder基底を持つ可分なフレッシェ空間とし、(U,p)をEから定義された複素射影空間P(E)上のRiemann領域とし、UはP(E)とpを介して同型ではないものとする。このとき、Uが擬凸領域であるための必要十分条件は、UがP(E)上のRiemann領域の有理型関数の族に関しての有理型被であることである。 さらに、この定理を応用して、議論、計算等をして、今まで分からなかった無限次元の複素射影空間の擬凸Riemann領域の特徴付けができた。これにより、この領域上のいろいろな関数等の挙動を知ることができるはずである。そうすれば、値分布の問題などの未知の興味深い結果が得られる。このように、つぎは、この方面に研究成果を生かしていきたい。
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