双曲的撞球の閉軌道の分布に関するエルゴード理論的研究
Project/Area Number |
07740144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
盛田 健彦 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00192782)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 双曲ビリヤード / リーマン面 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
双曲的撞球の閉軌道の分布を熱力学形式を用いることによって研究しようというのが、本研究の中心課題であった。残念ながら、マルコフ分割によって構成される1次元格子模型が、従来の双曲的力学系のような有限個のスピンだけで記述出来ないことが障害となって、素数定理型定理そ証明するまでには至れなかった。 しかしながら、本研究をすすめていく過程において転送作用素が作用すべき関数空間の性質や、転送作用素自身のスペクトルのより精密な研究が必要となったことから、この方面にかなりの力ををそそいだかいがあって、既にえられていた、「有限面積をもつ双曲リーマン面上の測地流の閉軌道について、それによって記述される、いわゆる、セルバーグゼータ関数の解析接続を転送作用素のフレッドホルム行列式であらわすことで示す」という結果を、かなり見通しの良い方法でまとめあげることができた。これは、専門誌、Ergodic Theory and Dynamical Systemに投稿したところ受理され掲載予定である。 さらに、この転送作用素の研究は、1次元拡大写像の不変測度の摂動による安定性の研究に有用であることがわかってきた。これを、コンパクトリーマン面に付随した1次元写像を含むクラスに適用してみたところ、それらの転送作用素の絶対値最大の固有値は、その摂動が小さければ、決定論的であるかランダムであるかにかかわらず、重複度もこめて変化しないということを示すことが出来た。これは現在論文にまとめているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)